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京都伏見にある曹洞宗の寺院、月橋院。豊臣秀吉ともゆかりの深い寺院です。
観月橋から眺める月の見事さに感嘆した秀吉が、円覚寺であったこの寺院を月橋院と改称したのが由来。
指月伏見城の城域には月橋院をはじめ、指月の森・観月橋など、月の名所であった名残が今なお残っています。
今回は、情緒豊かな月橋院の見どころをご紹介します。
月橋院は京都伏見にある曹洞宗の寺院。
南北朝時代から室町時代に伏見宮栄仁親王が隠棲した大通院指月庵が発祥とされます。
室町時代の様子を伝える「看聞日記」がここで執筆されました。
後に「山般舟三昧院」が建立されましたが、近世に秀吉の伏見城築城に伴い、洛中に移転します。
その跡地に真言宗圓覚寺が建立され、後に秀吉が月橋院と改称しました。
秀吉は、伏見城下を水陸交通の拠点にする一貫で宇治川の河川改修・橋梁工事を計画。
秀吉の命を受け、築かれた橋は、橋梁工事に着手した豊後大友の名から「豊後橋」(現在の観月橋)と名づけられました。
現在の住所、豊後橋町にもその名が残っています。
秀吉は、圓覚寺から見る月や豊後橋の風景を気に入り、月と橋にちなみ圓覚寺を月橋院と改称しました。
寺院には同郷の亀洲宗鶴和尚を住職に招き、旧友と共に月橋院から月を眺め、「月ニ橋ニ絶佳ナル」と嘆賞したそう。
寺院の西には指月の丘が広がります。かつて豊臣秀吉が築城した指月伏見城があった場所です。
寺院の南側を流れる宇治川には、豊後橋、現在の観月橋が架かります。
鳥羽・伏見の戦いで焼け落ちた豊後橋でしたが、明治6年に観月橋の名で再建されました。
今回紹介した「月橋院・観月橋・指月」には、全て月にちなんだ名称が付けられています。
なかでも指月は4つの月を表現。
「空の月・川の月・池の月・盃の月」、1度に4つの月を鑑賞できたのが由来とされ、なんとも風流な名称です。
月橋院へのアクセスは以下のとおりです。
住所:京都府京都市伏見区桃山町泰長老120
開門時間:9:00-17:00
アクセス:
奈良線「桃山駅」 から徒歩4分
京阪宇治線「観月橋駅」 から徒歩5分
近鉄京都線「桃山御陵前駅」 から徒歩10分
※観光寺院ではないため、境内の見学はご遠慮ください。
月橋院の周辺には、以下の歴史的建築物があります。
観月橋は、月橋院の西約500mに位置する宇治川に架かる(国道24号線の)橋。桃山時代から京都市の南隣に位置する宇治市との交通の要所として利用されています。
さらに観月橋から約300m下流には、一層風格のある鉄橋が。登録有形文化財に指定されている澱川橋梁です。
昭和3年に建設された全長165mのこの鉄道用トラス橋は、トラス構造の鉄橋として2012年まで日本最長を誇っていました。
現在でも近鉄京都線が走り、夕日が沈む風景をバックに観月橋からの撮影を楽しむ方もいらっしゃいます。
京都府知事 (3) 第13382号
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